目次
ワンネスからの贈りもの ~ インスピレーショナル・メッセージ~
パートⅡ <Ⅰへ戻る>
パートⅠでは、ガイドの「あなたの人生を霊的な目的のもとに生きるのか、それとも物質に仕えるために費やすのか」という、シンプルなメッセージをシェアしました。
パートⅡではそのことに関連して「安心と不安、豊かさ」について書いてみたいと思います。社会的な地位、職業的、経済的な成功も、物質的な目的のみに結びついて、魂の成長に結びつかないならば、「もの」に自身を隷属させることになり、心や魂にとってはハードな道を行く学び方となるかもしれません。もちろん、経済的な豊かさを求めることがよくないとか、判断したり裁くつもりは全くありませんし、物資や快適さを否定したり、特定のライフスタイルや信条を支持して、他を否定するものでもありません。
たくさんのお金を得た人がそれを、どのようにして役立てるかを学んだなら、それはその人や、周りの人にとって貴重な学びとなります。誤った使い方も、賢い使い方もお金の使い方という同じ学びの、異なった側面を見せてくれているだけなのです。しかし、お金やモノは地上の物理的世界に属するもので、どれだけエネルギーを注いでも、蓄えても、肉体の生が終わったときスピリットの世界に持って行くことはできません。人間の世界での評判も同じです。
バラ園にて
流動的な外の要因によって自分を定義すると・・・・
お金、地位、人からの評価、権威、仕事、環境、情報は、ある範囲で安心や快適さを与えてくれます。しかし全ては変化しうるものだということを心に留めておく必要もあります。 ジャングルや砂漠では、機械よりも自然のなかで生きる知恵が必要となるでしょうし、山の上では酸素か低酸素の環境で生きられる体がより必要となるかもしれません。役職や権力はそのグループ内にいては有効ですが、グループの外に出たり環境が変われば一変します。評価や株価も同様に移ろいやすいでしょう。モノやサービスの価格や、人の評価は、人がどれだけそれを必要とするか、価値をおくか、どれだけ手に入りやすい(にくい)かなどの要因によって変化する、流動的なものなのです。
不満、不足、不安を生み出すもの
人からの評価、お金、所有物、仕事、ライフスタイルなど、「外なる何か」によって自分の価値を証明しようとしたり、安心を得ようとしたり、それらと自分を同一視してしまうと、「それがなくなったらどうしよう」「自分が何者でもなくなってしまう」という不安を感じることになります。まるで、その「外なる何かの要素」がなくなるとともに自分がなくなってしまうかのような怖れを抱えることになります。そうすると、漠然とした不安を解消しようと、「安全で確実と感じられる何か」を探し、そこにしがみつくことのなります。
「○は手に入った。でもそれがなくなったら自分は無力だ。」「○がないと生きていけない。何も持っていないから、増やそう、守ろう」。このように思い込んでいると、「それ」がなければますます「自己=無力で不自由な存在」とみなすことになり、自らの「内なる自己」の価値を顧みないことになります。そして必死で「何かや誰か」になろうとしたり、他の人の価値観や人から取り込んだ価値観に合わせた「自分」を演じようとします。しかしそれらの「評価、お金、所有、仕事」など、外なる何かはとても「流動的」で、状況次第でつねに変わるもの。これでは、常に流動的で気まぐれな状況に振り回されて、「自分のなかに現実を変えるパワーがある」「自分の中に鍵がある」などとは思えないでしょう。鍵は「外のなにか」にあると思っているのですから、難しく感じられて当然です。
それは本当に私自身が望んでいたものだろうか?
もしあなたがいま「不満」「不足」「不安」を感じているなら、いったん立ち止まって深呼吸し(・・いま、本当に読むのをいったんやめて)、問いかけてみましょう。 「欲しいと思っていたものが手に入ったとき、それは心から望む状況をもたらしてくれる(た)だろうか?」と。
地位や、評判や、お金や、人からの承認などによって自分の存在を定義しようとしてきたとしたら、それらは本当に自分を真に安心させ、満ち足りた感覚を与えてくれただろうか?それはいっときのものではなかっただろうか?と。何かを得たらすぐに次の競争やさらなる飢餓感を煽られて、終わらないレースに、本当は疲れ果てていたのではなかったか?と。それは社会やこれまで出会った人々が宣伝していた価値観や、創り上げられ信じられてきた理想像であって、本当に自分が欲していたものではなかったのではないか?と。「外なる何か」が、ほんとうの安心や幸せを与えてくれるものではなかった、いま「内なる自己」はほんとうの安心や幸せ、満ち足りた(豊かさを感じながら)生きかたをしたいと願っている、と気づいたあとは、どうすればよいのでしょうか。
真の安心、幸せ、充実感を感じて生きる
そのときは、このことに意識を向けてみてください。心からの安心を味わい、本当にうれしい、幸せだ、自分を生きている、という感覚をもたらすのは「あなたが自らのスピリット(内なる自己・魂)の目的に向かって生きているとき」です。目的を自覚していようとしていまいと、あなたのスピリットが目的に沿っていない、つまり自らの「内なる自己」から分離した生きかたをしているとき、つながりを感じられないとき、人は不安、何かが足りない、かけている、という不足感を感じるものだということです。しかしその不足感、不安、不満は、あなたを真の目的へと向かわせる、ジャンプ台、あたり壁のような役割をしてくれます。
ですから、それらの不足・不安・不満のなかに埋もれるかわりに、不足感、不安、不満に気付いたときは、少し俯瞰した視点から状況を客観的に観察し、上手に使っていきましょう。「わたしの求めているものはこれではない。わたしには、もっと真に求めるものがある。わたしには、ビジョン(夢、希望、やりたいこと)がある。そこへ向かっていくためにこの不満、不足、不安を使って学び、環境を変え、自分を変えよう。そしてもっとよい未来を自分にもたらすために、行動しよう」と。
あなたの真の望みを知る
あなたに本当の安心をもたらすものは、まずは自分が本当にしたいことや興味のあることに触れる時間を持つこと、人生の目的を理解すること、したいことをするための自信や理解やスキルを養うこと、混乱してぼんやりとおぼろげな自分や世界に対するものの見方を整理してみることかもしれません。思ってもみなかった資質や個性に目覚めて、本当にやりたかったことに着手するワクワク感や幸せ感かもしれません。「本当に心からやりたいことをしていいんだ」「もう、自分の夢をかなえていいんだ」という気持ちや自分に対する許可かもしれません。
実際にその高揚感を感じるころには、それまであなたの心を覆っていた「不安」「不足」「不満」は、「ワクワク感」「情熱」「本能や直感的な衝動」におされて、力を弱めていることでしょう。
あなたの心が「やりたい、ワクワクする」といい、頭は「うまくいきっこない、無理だ、やめておこう、恐ろしい」と葛藤しているときは、内なる自己は心(や感覚・直感)をとおしてあなたに語りかけるもの、頭(左脳の論理や分析)をとおしてではない、ということを覚えておきましょう。「心(や感覚・直感)」がどのように感じたかを、大事にしましょう。しかし、そのようなサイン、チャンス、オファー、提案が、あなたが考えている形で現れるわけではないこともお知らせしておきます。
棚から牡丹餅が落ちてきてくれれば、嬉しいのですが、それではスピリットの学びがありません。ですから、あなたが望むものが、一見あなたが望んでいた形で現れるとは限らないということもお知らせしておきます。地震かもしれないし、失業かもしれないし、健康やお金を失うことで、本当にやりたいことや真の目的、スキルに目覚める・・・
そのように人生が急激に方向転換したり、魂の目的を果たすための学びや、スキルを磨いたりして、その結果本当の天職にめぐり合うこともあるのです。スムーズな流れが次々と起こって、まるでジェットコースターで運ばれているかのように変化が起こることもあるでしょう。人生は塞翁が馬。何が起ころうとも次の何かにつながっていて、いま自分がそこから何を学んでいるのかが、大事なのです。ものごとの表面ではなく、いつも起きているものごとの本質を見るようにしましょう。
安定的な仕事と思われるものも、本当に安定しているかはわかりません。スピリットガイドは今年の春分のあと、「ここから先はどんなことでも起こりうる」と言いました。ですから、どんな場所や会社や状況にあっても、フレキシブルに適応できる精神的な柔軟性を養ったり、円滑なコミュニケーションスキルや言語力を磨いたり、得意分野を深めたり、視野を広げることで気づきと成長のチャンスにすることもできるでしょう。昔から好きなことや、新しい技術やスキルを習うなどして自分で仕事を創り出したり、全く異なった業種、特殊な分野にチャレンジする人もいるでしょう。
思いきった転換をする会社、なにかに特化したり、専門化やスリム化を図ったり、統合したり新しいサービスを開発する会社もあるでしょう。仕事の量が減ったなら、やってみたかったことを習い始めたり、家族と楽しく過ごす時間にすることもできます。
時間ができて初めて思いっきり子供と遊んだり、家族と過ごしたりして、「こういうものがあったら便利なのに」とニーズを感じて起業する・・・なんて言う方もいらっしゃるかもしれません。どのような変化も同時に、自らの変化のチャンスであると言えるわけです。
内なる自己、豊かさの鍵に気づく
環境であれ、気候であれ、ものであれ、経済であれ、社会であれ、健康であれ、命であれ、あたりまえに存在するもの、と思っているとき、人は自分がいかに豊かで恵まれているかを感じたり、感謝したり、意識を向けることはあまりありません。それらが危機にさらされて、はじめて、その価値や、ありがたみに気づかされるのです。危機的状況になったとき、なにか確かなものを探そうとして、不確かなものを追い求めることをやめ、人はもういちど、人生や生活について問い直し、心や精神のありかたを問うありかたへ立ち返ります。
内側に目を向けるということです。そして「命があること、人生がいかに豊かでありがたいものなのか」「自分は全く分かっていなかった。人生って本当にありがたい。すごいことだなぁ。」「すべてのものがいまある自分がこのようにあることを可能にしてくれていた」といったシンプルながら、パワフルな真実に「気づく」のです。
内なる自己という鍵を使ってアクセスする
豊かさの感覚は相対的であること、自分自身の意識が豊かさを感じる鍵であることそしてその豊かさを感じる能力がさらに豊かさを引き寄せる鍵であること、変化を怖れることなく、それは次の方向や道を指し示すドア、サインであると捉えると、それを活かすことができます。そんなとき、ご自身のスピリットガイド(神、天使、ワンネス、エネルギー、宇宙、何と呼ぼうとよいのですが)にガイダンスを求めてください。”私が本当に求めるものは何か、どんなことに喜びややりがいを感じるのか”。
そして、昔の楽しいできごと、嬉しかったできごとの記憶がよみがえってきたり、人から何か新しい話を聞いたりするなら、それは大きなサインかもしれません。歩いているとあなたの周りにいつも蝶が飛んでくるとか、家に3回続けてハチが入ってくるとか、スペイン語を習ってみたいとか、何らかの直感やサイン、あなたの心をとらえる何か、明るく見える何かがあるなら、実際に行ってみたり、聞いてみたり、探してみたり、慣れている人は瞑想するなど、何らかの行動に移しましょう。
そのとき、実現することを阻んできた「怖れ」「先入観」「価値判断」や「過去の体験やネガティブなパターン」は脇においてくださいね(最も大切なことです!)。そうして「自分はいま不安で満たされていない」「自分の人生の目的はなんだろう」と思っていた時間を、豊かで意義深い、ソウルサーチング(自分の本質、魂を探す) の時間にすることができます。
豊かな世界、ワンネスの意識
いま世界の天候が急に変化したり、災害にあうなどして電気が使えなくなったら、山で暮らせる人がリーダーシップを発揮するかもしれません。建築を学んだ人や大工さんは倒れない小屋を作るとか環境を整えることにリーダーシップを発揮するでしょう。農耕や漁業の専門家は食べ物を創り出したり得ることにリーダーシップを発揮するでしょう。人を笑わせたり、心を慰めたり、癒したり、希望を与えることのできる、話の上手な人、歌の上手な人、楽器の上手な人、踊り手もあるでしょう。お医者さんや救命士もあるでしょうし、人の教育やケアや看護に長けた人もいます。もしあなたの趣味が「ロープ結び」「無線」なら、それもあなたの特技の一つです。
あなたが「本当に人の話をよく聞いてあげられるわね」と言われてきたなら、あなたの愛や優しさも才能の一つです。辛い時期や困難を乗り越えてきた経験があるなら、同じように大変な思いをしている人を理解したり、助けになることだってできます。
人はお金や物だけでなく、愛や思いやり、知恵、異なった経験・スキル・技術・才能エネルギーなどを活かして、さまざまな資質を自由に分かち合うことができます。とても豊かだと思いませんか。お金や職業や地位に関わらず、あらゆるものが恩恵であり、自分は満たされていて自分も世界に何かを提供することができる、宇宙は必要なものを与えてくれている、どんな経験も自分に何かを教えてくれている、ありがたい、と感じていまを大切に過ごすなら、尽きない豊かさと安心とサポートのなかで生きることができます。
必要なときには内なるチャネルを通してサポートやガイダンスをくみ出すことを思い出せば、スピリットの感覚<羅針盤>を頼りに、景色やハプニング、航海を楽しむことができます。嵐が来たら、それまでの経験、見聞きしたこと、学んだこと、スキル、スピリットの感覚を活かしたり、新たなことを学ぶ実践のチャンスです。そして周りを見渡せば、あなたが経験していないことを経験したことのある存在、あなたが必要としている知識や才能を持っているバラエティ豊かな存在があり、知恵や力を貸してくれようとしているかもしれません。あなたも自分にできることを提供し、互いに力を発揮してその状況から共に学ぶことができるのです。
そのようなスピリットには「周りは敵・競争相手であるという思いこみや恐れ」「不足感や苦しみ」や「満たされていないと思うことから来る不安」がないので、スピリットのバイブレーションは豊かさをたたえた、安心で満たされた波長となります。この波長が、さまざまな形の豊かさ(本人の望む形の豊かさ)を実際に引き寄せることになります。「さまざまな経験をさせてもらい、成長させてもらっている自分はなんて豊かで恵まれているんだろう、ありがたい」とますます人やものごとに感謝したり、尊重する気持ちが生まれます。この波動はとても洗練されているので、あなたの肉体・感情・思考を癒し、霊性を高め、あなたは、さらに洗練された高次のスピリットにつながることになります(波長の法則はここでも当てはまります)。
そうすると、そのような人やものごとを大切にする波長が生まれ、実際にそこに引き寄せられ共鳴するように、人やものごとが現れます。本人も周りの人も、幸せで、豊かで充実したバイブレーションを感じ、協力したり、協調したり、愛や尊重の波長に引きあがり、高次のスピリットからもたらされる直感やインスピレーションに同調して行動し始めるため、実際に物事がクリエイティブに創造され始めます。このようにして、どんどん世界が豊かなものに感じられるようになります。
人は、自身が望み求めるものを得ると言われます。ですから「あなたのスピリットが本当に望んでいるのが何かを知ること」、「本当に望んでいることが実現するのを阻んでいる怖れや葛藤を手放すこと」、そして「実際に内なる自己、スピリットを信頼して行動すること」が、豊かさの実現にとても大切です。
<Uploaded 2009.5.15: 『安心と不安、豊かさ(2009.3.25)』 REMI>